研究課題
ビタミンや亜鉛、稀少金属は、哺乳類において補酵素として機能し、その欠乏により特定のタンパク合成、代謝経路や細胞機能が障害され、各々特有の臨床症状を生じる。なかでも、ペラグラやビオチン欠乏、亜鉛欠乏、アミノ酸欠乏症では、強い一次刺激性皮膚炎が共通して生じる。全く別個の栄養素の欠乏により、何故類似した皮膚症を呈するのか、今だ解明されていない。ペラグラ、ビオチン欠乏症、亜鉛欠乏症での病変部皮膚では、表皮ランゲルハンス細胞が共通して、特異的に減少し消失している。個別の栄養欠乏モデルマウスを作製し経時的に網羅的解析することで、個々の栄養素の欠乏が、ランゲルハンス細胞を含めた多様な樹状細胞の維持や分化に影響する機序を決定し、さらには、個々の樹状細胞の機能を探索することで、栄養障害による皮膚症の発症メカニズムの理解を目標としている。ペラグラモデルマウスでは、開始前と欠乏食負荷後に継時的にマウス皮膚を採取し、免疫染色にてランゲルハンス細胞が次第に減少していくことを確認した。さらに、 同時にマウス皮膚よりRNAを抽出して行ったマイクロアレイ解析では、樹状細胞の表面マーカーであるCD209の発現が継時的に減少することが確認でき、さらに、ランゲルハンス細胞のリクルートに関与しているCCL8の発現は低下し、CXCL13は増加していることがわかった。亜鉛欠乏モデルマウスでは、マイクロアレイでは明らかな傾向は見出せなかった。ビオチンマウスについては、免疫染色、マイクロアレイ解析は今後施行する予定である。
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The Journal of Dermatology
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