高用量抗精神病薬の使用が過剰なドパミンシグナル伝達を引き起こしドパミン過感受性精神病が発症すると考えられ、その病態背景として腹側海馬支脚の介在ニューロンのドパミン放出制御の障害が関与していると考えている。本研究では高用量抗精神病薬を長期間投与し作製した長期高用量ラットの海馬を摘出し、ウェスタンブロット法によりParvalbumin、GAD67、HSP70の定量解析を行なった。HSPは長期高用量ラット群で有意に上昇していた。損傷された際に細胞を保護するタンバク質であるHSPが上昇したことは、長期高用量抗精神病薬の投与は海馬の細胞に損傷作用を有することを示唆する。
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