研究課題/領域番号 |
17K16371
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
井上 絵美子 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (80726323)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | GAP43 / 自閉スペクトラム症 / 機能的リン酸化部位 |
研究実績の概要 |
成長円錐のリン酸化プロテオミクスにより同定された神経発達に重要なタンパクリン酸化部位のうち、自閉スペクトラム症(Autism Spectrum Disorder; ASD)のリスク遺伝子であるGAP43遺伝子の機能解析を進めている。GAP-43機能に最も重要と予測されるリン酸化部位であるSer41部位の変異(Ser41Ala)のヘテロノックインマウスを作成、それらのマウスを交配させホモノックインマウスを作成し、その全脳ホモジネートを調整した。GAP43野生型のマウスについても全脳ホモジネートを調整し、抗GAP43リン酸化部位(pS41)抗体もしくは抗GAP43抗体を用いてイムノブロッティングによるタンパク定量を行った。その結果、GAP43自体の量に有意差はなかったが、pS41のリン酸化量はホモノックインマウスで消失していた。今後は同ノックインマウスの初代神経細胞培養を行い、免疫組織学的にGAP43_Ser41リン酸化タンパクの分布について確認する予定である。ヒトASD患者において同定され、in silico解析により遺伝子機能に強い影響を与えていると予測されたGAP43遺伝子のAsp23Gly変異のプラスミドベクターを作成した。この変異をHela細胞にリポフェクション法を用いて導入し、抗GAP43抗体を用いて免疫組織学的に観察したところ野生型GAP43を導入した細胞と比較して、GAP43の細胞膜への分布が減少しているという予備的な結果を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Ser41部位の変異(Ser41Ala)のホモノックインマウスの確立や株化細胞におけるGAP43遺伝子のAsp23Gly変異の機能解析など概ね計画通りに実験を進行できた。
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今後の研究の推進方策 |
GAP43のSer41AlaおよびAsp23Glyの機能解析を初代培養神経および遺伝子改変マウスを用いた機能解析を進めていく。
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