研究成果の概要 |
精神疾患の分子基盤の理解には、患者および健常者から得られた死後脳の複数の領域における遺伝子発現評価が必要である。本研究では、死後脳における遺伝子発現の正確な定量に必要な1)RNAの保存状態の評価および2)発現の安定した内部標準遺伝子の同定を患者と健常者の大脳皮質4領域より抽出したRNAを用いて行った。RNAの保存状態は、患者では脳の前方で高く後方で低い傾向を認めたが、対照者ではこのような領域間の差を認めなかった。さらに、一般的に使用されている8種類の内部標準遺伝子から疾患の有無および領域の違いにより影響を受けにくいものとしてPPIA, GAPDH, PSMB2を同定した。
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