• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2018 年度 実績報告書

強迫的行動促進の神経基盤

研究課題

研究課題/領域番号 17K16373
研究機関金沢大学

研究代表者

西川 宏美  金沢大学, 医学系, 研究員 (70534155)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2019-03-31
キーワード強迫性 / 習慣化
研究実績の概要

昨年度に引き続き、ラットを用いて①行動が習慣化するランダムインターバル条件下と、②固定インターバル条件下、さらに③固定インターバルにレバー押しタイミングを教示を追加して持続性注意を必要とせず、習慣化が可能になる条件下の、計3つで線条体でのArc 、cFosの発現パターンの比較を行った。また、OFCなど線条体に投射を送り、目標指向性行動や習慣化の制御に関わると予想される脳部位に関しても同様の検討を行った。
一方、オペラント訓練を4週間施行し、ラットの行動が一旦習慣化したのを確認後、扁桃体外側基底核(BLA)のcFos発現細胞を選択的に破壊したところ、一旦習慣化した行動が2週後に再度目標指向性行動に戻ることを確認した。サルでは似たような現象が後部線条体の破壊で起きることが知られている。サルの後部線条体に相当するラット尾側背内側線条体は、直接BLAに投射する。そこで、「尾側背内側線条体からBLAへの投射が習慣化記憶の貯蔵あるいは呼び出しに重要である」と仮説を立て、4週間のオペラント訓練終了後にラットの行動が習慣化していることを確認の後、BLAにタンパク質合成阻害剤を局所注入して記憶の貯蔵阻害し、その2週後に習慣化した記憶が呼び出せるか検討した。
また、「目標指向性行動から習慣化への移行を妨げるのは訓練の連日反復であり、逆に移行を促進するのは一定期間の訓練休止である」と仮説を立て、通常習慣化しない7日間のオペラント訓練の後に、2週間の訓練休止期間を挟んで習慣化の有無を再検討したところ、行動が習慣化していることを確認した。さらに3週間の訓練反復を行ったところ、習慣化は維持されたがその間にレバー押し回数はさらに増加していた。以上の結果より、習慣化とは、反復訓練による運動技能の維持(固定化)を保証するものではなく、一時的あるいは恒久的な行動の自動化を目的としたものであることが示された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [学会発表] HOW IS A HABIT DEVELOPED OR UNDEVELOPED?: IMPLICATIONS FOR A CRITICAL ROLE OF ATTENTION DURING A GOAL-DIRECTED PROCESS OF OPERANT LEARNING IN RATS.2018

    • 著者名/発表者名
      S Toda, Z Lin, H Nishikawa, Y Iguchi, A Iwanami, Y Minabe
    • 学会等名
      ISBRA2018京都
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Continuous attentional demand may prevent habit formation in rats.2018

    • 著者名/発表者名
      Lin Z, Nishikawa H, Iguchi Y, Iwanami, A, Minabe Y, Toda S
    • 学会等名
      第41回日本神経科学学会大会

URL: 

公開日: 2019-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi