本研究は浜松医科大学臨床研究倫理委員会にて承認を受けたのちに行われた。 浜松医科大学附属病院に入院患者で、DSM-5で神経性やせ症と診断される18~40歳の女性、健常対照群として18~40歳のBMI 18.0以上25.0未満の女性をそれぞれ20名リクルートする。診断には精神科診断面接マニュアル[第2版](SCID)をDSM-5用に改編したものを使用した。頭部MRIにて頭蓋内占拠性病変や脳梗塞などの血管病変を有する者、てんかんなどの神経疾患をもつ者は除外する。患者は入院直後より当施設で行なっている『身体管理マニュアル』および『行動制限療法マニュアル』に従ってBMI 16となるまで入院で治療を行う。全ての患者に対し厳密な身体管理、動機づけ面接、疾病教育、栄養指導等を行う。 患者に対しては症状評価および心理検査として、入院後2週間以内 (T0)に血液検査、および以下の症状評価、心理検査、脳画像の撮像を行う。精神症状評価:(1)EDI-2、(2)BITE、(3)BDI、(4)STAI、知能検査:(5)WAIS-III、画像検査:(1)構造画像structural MRI、(2)安静時fMRI、18F-FDG PET撮像。BMI 16を超えた体重回復期(T1)に再度同様の検査を施行する。健常者には12週の期間をおいて同様の評価および検査を2度施行する。 2018年度は当院への入院患者で未成年の患者が多く、研究開始当初予定していた18歳以上の患者および健常者10名ずつのリクルートが十分に進んでおらず、健常者のリクルートから進めている状況である。
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