研究課題/領域番号 |
17K16382
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
山崎 聖広 愛媛大学, 医学部附属病院, 助教(病院教員) (20724579)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | アルツハイマー型認知症 / ABCA7遺伝子 / 遺伝子発現 / エピジェネティクス |
研究実績の概要 |
アルツハイマー型認知症患者に対して、遺伝子採血、認知機能検査などを行い、ABCA7遺伝子の遺伝子発現、メチル化、一塩基多型と症状等の関連を解析した。血液から、gDNA、cDNAを抽出し、cDNAから遺伝子発現量を測定し、gDNAからメチル化、一塩基多型の測定を行った。各々のデータでアルツハイマー型認知症50例と健常者50例を比較検討したところ、ABCA7遺伝子の発現量がアルツハイマー型認知症で有意に上昇していることが分かった。同様の症例で、遺伝子発現に与える影響を検討するため、エピジェネティックな観点からメチル化率を算出し、一塩基多型の頻度を測定した。その結果では有意差はみられず、解析したメチル化や一塩基多型が遺伝子発現に関与していることは否定的な結果であり、他の要因が関与していることが考えられた。一方、アルツハイマー型認知症において、罹病期間が長く、認知機能障害が重症になるほど遺伝子発現量は減少しており、ABCA7がアルツハイマー型認知症の病態や進行に関連するバイオマーカーとなりうる可能性を示唆する結果が得られた。今後も症例数を増やしていくとともに、他の要因の関与を検討するなど、遺伝子発現の変化に影響する因子を検討していくことや、他のメチル化部位の変化が与える影響なども考慮して研究を進めていく必要があると考えている。また、アルツハイマー型認知症以外の疾患においても同様に検討し、ABCA7遺伝子の認知症やその他の精神疾患におけるバイオマーカーとしての有用性を検討していく方針である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
サンプリングが順調にでき、遺伝子発現やメチル化、一塩基多型についてもこれまで我々が行ってきた手法にのっとって測定できているため、おおむね順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
遺伝子採血などのサンプリングを行い、統合失調症などの他の精神疾患でも同様の遺伝子採血を行い、測定し、疾患ごとにも研究をすすめていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究進度にあわせて、試薬等を当研究室でもともと使用していたものを共有することで不足分をまかなったため、本研究に費やす資金から次年度使用額が生じたが、今後もサンプルを増やしていくための費用や増やしたサンプルの遺伝子発現・メチル化率測定の際に使用する試薬等に次年度使用額をあてていく予定である。
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