研究課題/領域番号 |
17K16383
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
河邉 憲太郎 愛媛大学, 医学部附属病院, 助教 (90457375)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | インターネット依存 / ゲーム障害 / 自閉スペクトラム症 / ADHD |
研究実績の概要 |
インターネット使用の制御が困難となり,生活上の問題をきたすインターネット依存(Internet addiction)が社会的問題になっている。特に自閉スペクトラム症(ASD)は定型発達児と比較し,不登校や精神的不調をきたしやすいことが知られているが,インターネット依存についてもリスクとなりうることを想定し,ASDにおけるインターネット依存及び精神的状態の把握を目的に調査した。 初年度に対象者のリクルートを行ったが、参加を拒否する対象者や、適格基準にあわない対象者が多く、当初の予定よりもサンプル数が少なくなった。そのため、対象者を複数の診療機関に通院する対象基準に適した全患者に範囲を広げた。その結果、調査を実施でき、以下の結果が明らかとなった。 前年度までにASDの診断がある10代の対象者に対し、調査を行った結果、ADHD(注意欠如多動症)症状とインターネット依存に関連があることがわかった。また、総IAT(Internet Addiction Test)スコアに基づいた結果、45.5%がインターネット依存を有していることがわかった。インターネット依存を有している群は、インターネット依存を有していない群と比較し、ADHD症状の高スコアは認めたが、自閉スペクトラム指数(AQ)および知能指数においては有意な差が認められなかった。さらに、インターネット依存を有している群は、携帯ゲームの使用頻度が高かった。ADHD症状を有する青年期ASD患者では、IAに対する、より強固な予防と介入が必要であることが判明された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
対象者の募集において、参加を拒否する対象者や、適格基準にあわない対象者が多く、当初の予定よりもサンプル数が少なくなっていたため。追加で募集をして解析を行った。今後の介入が必要である状態であり、現在介入計画の策定中である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は対象者に対して、個別にインターネット依存の予防対策に関する介入を行う予定である。最終的に、本研究結果をとりまとめ、学会発表、学術雑誌に発表予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた研究計画の遂行が対象患者の募集が滞り、予定通りの実施が難しくなった。そのため、当初の予定と異なり、期間を延長して研究を実施することとなり、それに関する使用額及び使用計画が次年度に繰り越されることとなった。
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