統合失調症患者の生活は、幻覚、妄想、思考障害といった陽性症状、感情鈍麻などの陰性症状、認知機能の低下など多様な症状や二次的な機能低下によって影響を受けており、特にその急性期における障害の程度はあらゆる疾患の中でも最も重いとみなされている。その結果、就業率の低さ)、社会からの阻害などの社会機能の低下を来たし、現代社会における大きな損失となっていると考えられるが、その病態を客観的に評価する指標は確立されていない。聴性定常反応は、統合失調症のバイオマーカーとして非常に有用である可能性があるが、統合失調症の病期を通じてどのように変化をするのかについて縦断的に評価した研究はない。
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