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2017 年度 実施状況報告書

iN 細胞を用いた自閉症スペクトラム障害の病態解明

研究課題

研究課題/領域番号 17K16386
研究機関九州大学

研究代表者

佐方 功明  九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (00632308)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード分子精神医学 / トランスレーショナル研究 / ASD / iN細胞
研究実績の概要

神経発達障害の一種である自閉症スペクトラム障害(ASD:Autism Spectrum Disorder)を併発しやすいとされる神経線維腫症1型(NF1)の患者由来の線維芽細胞より作出したiN細胞(induced-neuronal cell)の網羅的遺伝子発現解析を行い、その中でMEX3Dと呼ばれる遺伝子の発現が低いことを初めて発見した。またMEX3Dの分解標的としている可能性のあったFOS mRNA発現量が高いこと、一方でMEX3Dの分解標的として知られているBCL2 mRNA発現量には影響がないことが明らかにした。
NF1ノックアウトマウスの神経幹細胞ではこのBCL2の発現量が増加していることが知られており、iN細胞への誘導後早期(5日目)ではBCL2遺伝子の発現量が高いことを示した。このことより従来iN細胞ではニューロンの発達の経過を観察することは出来ないとされてきたが、早期iN細胞の有用性の可能性を提唱した(Sagata et al., 2017 Sci Rep.)。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

年次計画に挙げていた三項目「ASD及びその周辺疾患患者の線維芽細胞の供給体制」、「iN細胞の作製」「発達期iN細胞の樹立」については全内容の履行には至らなかったものの、すべての項目に関わる形で神経線維腫症1型についての研究・報告を果たせた。

今後の研究の推進方策

当初の計画通り、抑制性iN細胞の樹立・ASDとその周辺疾患患者のiN細胞の包括的表現型解析を行う。また同時に早期iN細胞の詳細な評価を行う。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Dysregulated gene expressions of MEX3D, FOS and BCL2 in human induced-neuronal (iN) cells from NF1 patients: a pilot study2017

    • 著者名/発表者名
      Sagata N, Kato TA, Kano SI, Ohgidani M, Shimokawa N, Sato-Kasai M, Hayakawa K, Kuwano N, Wilson AM, Ishizuka K, Kato S, Nakahara T, Nakahara-Kido M, Setoyama D, Sakai Y, Ohga S, Furue M, Sawa A, Kanba S.
    • 雑誌名

      Sci Rep.

      巻: 7 ページ: -

    • DOI

      10.1038/s41598-017-14440-7

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著

URL: 

公開日: 2018-12-17  

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