研究課題
令和4年度は、MRI画像解析については、米国アルツハイマー病データベースであるADNIのデータを利用して健常者データを用いて、当院神経免疫外来通院中の自己免疫性精神病患者についてデータ解析を行った。結果、回復が遅れている患者においては、回復がみられた患者と比較して、脳の複数の部分で、MD値が大きくなっていることが明らかとなり、脳微細構造の異常を指摘していると考えられた。この結果は、現在論文投稿を予定している。また、経験した症例の長期経過を追いかけることができたため、令和4年6月に行われた、精神神経学会のシンポジウムにて臨床的知見について発表を行った。また、このシンポジウムの内容が、日本精神神経学会の学会誌である日本精神神経雑誌にいおいて特集として採択され、自己免疫性精神病の概念や、その他の自己免疫疾患に伴う精神症状についての総説を投稿した。自己免疫性脳炎患者における精神症状について、通過症候群という概念を用いて説明し、長期の経過を追いかけることの必要性などについて概説した。また、自己免疫脳炎、精神病の類縁疾患である、自己免疫疾患に伴う精神症状に関する症例の臨床的特徴について、令和5年6月に行われる、精神神経学会のシンポジウムにて発表を行う予定である。本研究では、ADNIデータも活用したが、アルツハイマー病による軽度認知機能障害患者において、免疫関連物質であるMMP-9が、認知症への転換に関係していることを見出し、論文発表を行った。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)
The Journal Of Prevention of Alzheimer's Disease
巻: 9 ページ: 331-337
10.14283/jpad.2022.19
精神科Resident
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