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2019 年度 実績報告書

アルツハイマー型認知症に伴う精神症状に関するドパミン・セロトニン神経の統合的検討

研究課題

研究課題/領域番号 17K16393
研究機関国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構

研究代表者

松岡 究  国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学総合研究所 脳機能イメージング研究部, 研究員(任非) (80613794)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードアルツハイマー型認知症 / 健常者 / 123I-FP-CIT / ドパミン / セロトニン / 心理的ストレス / 抑うつ / 精神病症状
研究実績の概要

アルツハイマー型認知症(AD)における抑うつや精神病症状の機序として,セロトニン・ドパミン神経系の関与が想定される.本研究の目的は,123I-FP-CITを用いたSPECT検査によって,セロトニン・ドパミン神経系の関与を統合的に検討することである.
外来通院中のAD患者と健常者を対象として,神経心理検査,頭部MRIや123I-FP-CITを用いたSPECT検査を行った.MRI画像から得られた解剖学的情報から,関心領域内の123I-FP-CITの集積を評価した.同集積値と脳構造・機能情報や神経心理検査の関係を調べた.
健常者は21名の組み入れを行ったが,AD患者は12名の組み入れにとどまり,リクルートを継続する.このうちの健常者 15名を対象とし,抑うつや心理的ストレスとドパミン神経系の関係を調べた.結果として,線条体の123I-FP-CIT集積値と,Stress Arousal Check List日本語版のストレス因子であるstress scoreとに負の相関がみられ,覚醒度であるarousal scoreとに正の相関がみられた.すなわち,生活での心理的ストレスが強いほど,線条体のDAT密度が低下しており,生活でのいきいき感が強いほど,線条体のDAT密度が増加していると考えられた.また,線条体の123I-FP-CIT集積値とGeriatric Depression Scale(GDS)合計値と負の相関の傾向がみられ,抑うつが強いほど線条体のDAT密度が低下していると考えられた.さらに,GDS合計値とstress scoreやarousal scoreとの間にも有意な相関がみられた.パス解析により,これらの関係を説明する適合度の良いモデルが作成できた.本研究結果より,生活におけるストレスと高齢期の抑うつの関係には,線条体のドパミン神経系の変化が介在していると考えられた.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 認知症とうつ2020

    • 著者名/発表者名
      松岡 究, 岸本 年史
    • 雑誌名

      精神科診断学

      巻: 13(1) ページ: 64-70

  • [学会発表] 健常高齢者におけるドパミン神経系を介した心理的ストレスの抑うつへの寄与2019

    • 著者名/発表者名
      松岡 究, 吉川 裕晶, 高橋 誠人, 北村 聡一郎, 安野 史彦, 岸本 年史
    • 学会等名
      第41回日本生物学的精神医学会
  • [学会発表] 健常高齢者における中脳の123I-FP-CIT集積と悲しみの表情認知の関係2019

    • 著者名/発表者名
      松岡 究, 吉川 裕晶, 高橋 誠人, 北村 聡一郎, 紀本 創兵, 木内 邦明, 安野 史彦, 岸本 年史
    • 学会等名
      第34回日本老年精神医学会

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公開日: 2021-01-27  

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