本研究の結果は、気分障害では白質神経線維の微細構造という解剖学的なレベルの異常が存在し、特異的な認知領域と関連していることを示唆する。 近年は神経ネットワークを評価する神経画像手法(DTIや安静時機能的MRI(rs-fMRI))が発展してきた。将来的にはDTIとrs-fMRIによる解析の手法を用いて、統合失調症や気分障害などの精神疾患に見られる神経ネットワークの特徴、アルツハイマーなど認知症に特徴的な神経ネットワークを明らかにし、多疾患で臨床症状と結びつけることで疾患横断的な生物学的指標を確立し、従来の症状評価に基づいた診断体系をブレイクスルーする契機としたい。
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