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2018 年度 実施状況報告書

ワーキングメモリー障害の原因神経回路の解明

研究課題

研究課題/領域番号 17K16397
研究機関獨協医科大学

研究代表者

有銘 預世布  獨協医科大学, 医学部, 講師 (80609404)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード統合失調症 / 動物モデル / ワーキングメモリー / 前辺縁皮質 / 背内側線条体 / In vivoカルシウムイメージング
研究実績の概要

ワーキングメモリーなどの認知機能障害は統合失調症の中核症状と考えられており、機能予後の予測因子として知られているが、現存する抗精神病薬にはこの認知機能障害にはあまり効果がなく、神経回路病態も不明である。そこで、本研究は統合失調症モデルマウスを用いて、ワーキングメモリー障害の原因神経回路を探索することを目的としている。本年度は、昨年度本研究代表者が広範なc-Fos免疫染色による神経活動マッピングによって明らかにしたフェンサイクリジン(PCP)を慢性投与したマウス(PCP慢性投与マウス)のワーキングメモリー障害とその障害に関わる前辺縁皮質や背内側線条体など複数の脳領域における神経回路網を解析するため、順行性及び逆行性神経トレーサーを用いてマッピングし、神経入出力を明らかにした。次に、特定の脳領域や神経回路でin vivoカルシウムイメージングを行うため、グルタミン酸作動性神経特異的に蛍光カルシウムセンサータンパク質GCaMP6fを発現させるアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターとCre依存的にGCaMP6fを発現させる逆行性AAVベクターなどの作成を行った。次に、PCP慢性投与マウスに加えて、統合失調症のモデルマウスとしてヒト22q11.2微小欠失症候群マウスの導入を実施した。さらに、マウスにおいて遅延非場所合わせ試験によるワーキングメモリーの評価を高効率かつ高精度化するため、ノーズポークのオペラントチャンバーを用いた行動課題の自動化を構築した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

予定した実験を進めており、順調に進展している。

今後の研究の推進方策

今後は構築したこれらの実験系を用い、PCP慢性投与マウスのワーキングメモリー障害に関わる神経回路を明らかにしていくとともに、ヒト22q11.2微小欠失症候群マウスにおいても同様の検討を行う。

次年度使用額が生じた理由

平成30年度の予算として大きな割合を占めるものとして、トランスジェニックマウスの導入があったが、納品が年度末になったため予算の支出は次年度になった分、次年度使用額が生じた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2019 2018

すべて 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件)

  • [学会発表] Examination of the findings suggesting Niemann-Pick disease type C in patients with schizophrenia.2019

    • 著者名/発表者名
      Fujii K, Maekawa M, Ozeki Y, Eto Y, Saito T, Shinozaki M, Arime Y, Nagashima T, Okayasu H, Ishii S, Shimoda K
    • 学会等名
      International Congress on Schizophrenia Research
    • 国際学会
  • [学会発表] Abnormal neural activation patterns underlying working memory impairment in chronic phencyclidine-treated mice.2018

    • 著者名/発表者名
      Arime Y, Akiyama K
    • 学会等名
      The Society for Neuroscience (SfN) 48th Annual Meeting
    • 国際学会
  • [学会発表] Phencyclidine慢性投与マウスが示すワーキングメモリー障害の神経基盤の探索2018

    • 著者名/発表者名
      有銘預世布,秋山一文
    • 学会等名
      第40回日本生物学的精神医学会・第61回日本神経化学会大会 合同年会
  • [学会発表] 統合失調症と診断された症例を対象とした成人型ニーマンピック病C型を示唆する所見の検討2018

    • 著者名/発表者名
      藤井久彌子,前川正充,衞藤義勝,尾関祐二,齋藤尚大,有銘預世布,永島隆秀,岡安寛明,篠﨑隆央,秋山一文,下田和孝
    • 学会等名
      第40回日本生物学的精神医学会・第61回日本神経化学会大会 合同年会

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公開日: 2019-12-27  

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