研究課題/領域番号 |
17K16400
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
野上 毅 日本医科大学, 医学部, 助教 (30701940)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | セロトニン1B受容体 / 神経科学 / 精神疾患 / うつ病 |
研究実績の概要 |
ポジトロンCT(Positoron Emission Tomography:PET)は、生体内での神経伝達物質の評価が可能であるが、これまでセロトニン1B受容体に関しては、PET検査 に用いる適切な放射性薬剤が無かったことから、生体内でのセロトニン1B受容体の役割は十分な解明されていない。セロトニン1B受容体のうつ病における生体 内の役割についての知見は未だ少なく、うつ病の病態解明には至っていない。また、認知行動療法以外の治療前後における報告はない。今回の研究では、様々な 病期のうつ病患者のセロトニン1B受容体の評価比較、また異なる治療法前後でのセロトニン1B受容体の評価比較を検討することにより、うつ病の病態および治 療におけるセロトニン1B受容体の役割を明らかにすることを目的としている。 うつ病治療中で寛解を維持している患者、うつ病で薬物治療あるいは電気けいれん療法を行っている患者、その患者と年齢や性別をマッチさせた健常者を対象として、[11C]AZ10419369PET、MRI検査、うつ病評価尺度による心 理学的評価を実施した。得られたPETとMRIの結果は順次コンピューターソフトを用いて評価、解析を行い、それぞれの対象群におけるセロトニン1B受容体の密度を評価している。今後は、それらの結果の解析と評価を行い、様々な病態や治療における セロトニン1B受容体の評価比較を行い、その役割を解明していきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
症例数は概ね予定通り進行している。被検者の分類については当初の予定から調整が必要ではあるが、その他については順調に進行していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
症例数を増やしながら、解析と結果の分析を行い、うつ病におけるセロトニン1B受容体の役割を明らかにしていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初想定していたより試薬の使用が少なかったことや、学会報告等での使用がなかったために次年度の使用額が生じた。次年度に解析用の処理ソフトや学会報告等を活発に行っていきたいと考える。
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