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2019 年度 実績報告書

統合失調症患者の就労成功のカギは何か?

研究課題

研究課題/領域番号 17K16406
研究機関産業医科大学

研究代表者

堀 輝  産業医科大学, 医学部, 講師 (50421334)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード統合失調症 / 就労 / 抗精神病薬 / 認知機能 / 社会認知機能 / 内服アドヒアランス
研究実績の概要

本研究は、統合失調症患者の就労を成功するための必要な条件の解明、および個別化治療戦略を確立し、さらなる介入で就労成功率が高まるかを検討した。第一に、就労成功群と未就労群の比較検討では、神経認知機能の差異、ゲーム課題での差異を明らかにした(Igata R, Hori H et al., in revised)。第二に就労成功予測因子としては、神経認知機能や社会認知機能、自己効力感、内発的動機付け、内服アドヒアランスなどが関与していることが示唆された。さらに、新奇抗精神病薬投与に伴う神経認知機能障害の改善度には個別性が高いことが明らかとなった。一般的に抗精神病薬投与に伴う神経認知機能障害の改善度はeffect sizeで0.2~0.3程度であることが知られているが、今回の検討ではeffect sizeは同等であったが、その中でも著名改善症例から悪化症例まで様々だった。またその改善に影響している因子としては、抗精神病薬投与前の認知機能、過去の入院回数、血中MHPG濃度が影響していた(Hori et al., 2019)。また、内服アドヒアランスに関連している再発回数も一部の認知機能に影響を及ぼしている可能性についても明らかにした(Hori et al., in submission)。介入に関しては、神経認知機能に加え社会認知機能の介入方法について、海外における手法を確立するまでにとどまり(Knight and Baune 2018; Knight, Hori et al., 2019)、介入RCTはできなかったが、パイロット的な介入に伴う症例報告での有効性について知見を得た(Hori et al., in submission)。
これらの結果から、統合失調症患者が就労を目指す際には、今までと同様の薬物療法、精神療法に加えて、内服アドヒアランスを高めること、神経認知機能、社会認知機能などのトレーニング、またその個別性を重視しながら治療を組み立てることが有効かもしれない。介入無作為化比較試験に関しては今後の課題である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Plasma levels of 3-methoxy-4-hydroxyphenylglycol levels, number of hospitalization and cognitive function predicts the cognitive effect of atypical antipsychotic monotherapy in patients with acute schizophrenia.2019

    • 著者名/発表者名
      Hori H, Yoshimura R, Katsuki A, Atake K.
    • 雑誌名

      Int Clin Psychophrmacol

      巻: 35 ページ: 89-97

    • DOI

      10.1097/YIC.0000000000000293.

    • 査読あり
  • [学会発表] 非定型抗精神病薬の急性期統合失調症患者に対する認知機能改善効果と改善予測因子.2019

    • 著者名/発表者名
      1、堀 輝、香月あすか、阿竹聖和、井形亮平、小西勇輝、吉村玲児.
    • 学会等名
      第29回日本臨床精神神経薬理学会

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公開日: 2021-01-27  

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