本研究の目的は、原発性脳腫瘍の臨床において、糖代謝を画像化するF-18 Fluorodeoxyglucose(FDG)および低酸素を画像化するF-18 fluoromisonidazole(FMISO)を用いたポジトロン断層撮影法(PET)により、新たな診断法を構築することである。本研究では近年注目されているTexture解析の手法を用いたFDG PETの情報からFMISO PETの低酸素情報を予測できるかどうかを検討し、ごく一部の施設でしか施行できないFMISO PETに対して、FDG PETが代替手段となり得るかを明らかにする。従来、一般的に用いられていたPETの指標はSUVmax(maximum of standardized uptake value)であり、腫瘍内のごく限られた部位の集積度を反映するのみであったが、Texture解析では腫瘍内の分布の不均一性を数値化することができる。2018年度は、2016年以前に北海道大学病院で検査を行った症例、および2017年にエントリーされた症例のデータ収集を行った。これにより全体で65症例が集まり、現在、PET画像と病理診断の解析中である。
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