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2017 年度 実施状況報告書

神経膠腫の術前画像診断のためのT1rho MRIの撮像法と評価法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 17K16415
研究機関東北大学

研究代表者

明石 敏昭  東北大学, 大学病院, 助教 (40623492)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードT1rho / 神経膠腫 / IDH-1 / ATRX / 画像診断
研究実績の概要

神経膠腫の画像診断は現時点では十分ではなく、遺伝子変異に基づいた病理診断に則した術前の画像診断が求められている。WHO gradeII-IVの計47例で、MRIでの緩和の一つであるT1rhoを用いて術前診断の可能性について検討した。腫瘍の充実部にROIを置いたT1rho値(mean, minmum, maximum, median)を測定して、病理診断での免疫組織化学染色(IDH-1、Ki67、ATRX)、WHO grade、病理診断名、1p19q co-deletionの遺伝子異常との相関を統計学的に検討した。現時点ではgradeIVの腫瘍においてIDH-1とATRXの染色性は全てのT1rho値(mean, minmum, maximum, median)と有意な相関が確認できた。また、gradeIIIとIVの腫瘍において、IDH-1の染色性はmaximum T1rho値と、ATRXの染色性はmeanとmaximum T1rho値との有意な相関が見られた。以上のことから、術前のMRI検査で悪性神経膠腫が疑われた時、IDH-1遺伝子の変異を予測することが期待でき、患者の予後予測にT1rho測定が有用である可能性が示唆された。ただし、この他の免疫組織化学染色(Ki67)やWHO grade、病理診断名、1p19q co-deletionについては相関が得られなかった。
また、T1rhoはT2と類似しているが異なる緩和であることから、この微細な差異を評価することはT1rhoそのものよりも意義があると推測している。T2との逆数の差(delta R1rho)を得る方法を確立しつつあり、これらを利用することによって術前画像診断の精度をあげるために引き続き検討を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初年度ではT1rhoの測定、脳腫瘍でのデータ収集を行うことができた。さらに、病理診断での免疫化学組織染色(IDH-1とATRX)に関して、T1rhoとの有意な相関を見出した。
delta R1rho測定法の確立を目的として、現在、撮像プロトコールを作成中であり、すでに予測通りの計測値を得ることができている。これらはほぼ計画通りの進捗状況といえる。

今後の研究の推進方策

神経膠腫瘍でのT1rho値の測定を続け、症例を蓄積してgradeIIの腫瘍を増やすと、さらに有意なデータが得られる可能性がある。また、現在開発中であるdelta R1rhoの測定を早々に開始する予定であるので、本年度はT1rhoに加えてdelta R1rhoの症例を蓄積し、初年度に収集したデータをまとめて発表することを予定している。

次年度使用額が生じた理由

購入を計画していたコンピューターとソフトをまだ購入していないため、差額が生じた。本年度中に必要に応じて、適切な時期に購入し、使用する計画である。また、本年度は初年度で得られたデータを発表する機会があるので研究会や学会参加のための旅費や論文作成に使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 神経膠腫におけるT1rho緩和の検討2017

    • 著者名/発表者名
      明石敏昭
    • 学会等名
      日本医学放射線学会北日本地方会

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公開日: 2018-12-17  

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