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2018 年度 実績報告書

治療効果向上と適応拡大を目指したBNCT用ナノ粒子

研究課題

研究課題/領域番号 17K16419
研究機関筑波大学

研究代表者

石田 俊樹  筑波大学, 附属病院, 医員 (80795716)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2019-03-31
キーワードBNCT / ナノ粒子
研究実績の概要

ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)は、ホウ素と中性子の核反応を用いた放射線治療である。ホウ素は、ホウ素化合物 として体内に投与されるが、この化合物の腫瘍への集積は必ずしも高くない。ドラッグデリバリーシステムを用いた安全性と有効性を併せ持つBNCT用ナノ粒子(BNP)を用いて、従来の治療対象の癌に対する既存のホウ素化合物への優位性やBNPの集積する新たな癌の探索を本研究の目的とした。
平成29年度には、腫瘍内に10Bを集積させる高分子材料として、ポリエチレングリコール(PEG)とポリ乳酸からなるブロック共重合体(PEG-b-PLA)を合成し、そのPEGの末端にフェニルボロン酸(PBA)を導入した。得られた高分子(PBA-PEG-b-PLA)は、血清タンパク質との相互作用が抑えられ優れた安定性と、PBAのシアル酸への特異的親和性からシアル酸高発現の転移性の高いがん細胞を選択的に認識することが確認された。ヒト乳がん細胞やマウスメラノーマ細胞を用いたin vitro集積能の評価では、細胞膜を効率的かつ迅速に認識し、細胞質へ集積することを確認した。
平成30年度には、皮膚がんモデルマウスへの尾静脈投与の48時間後において、腫瘍組織の切片を観察した結果、高分子ミセルの腫瘍組織への優れた集積能が確認できたが、BNCTの適応である脳腫瘍や頭頸部扁平上皮癌以外の乳癌(MDA-MB-231)、肝臓癌(HepG2)、膵臓癌(BxPC3)、 前立腺癌(PC-3)、子宮頸癌(HeLa)を用いた比較は実施できなかった。
また、がんモデルマウスへ中性子線を照射し、アネキシンV、血球濃度、CRP値を定量測定し、アポトーシスの程度や炎症反応の程度を評価したり、同様の実験をBPA、BSHで行い比較することも、中性子照射施設の利用が困難であったことから実施できなかった。
今後、中性子照射施設の利用に伴い、BNP等の臨床実験が進むことを期待する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 放射線治療が奏功した孤立性線維性腫瘍の1例2018

    • 著者名/発表者名
      石田俊樹
    • 学会等名
      日本放射線腫瘍学会

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公開日: 2019-12-27  

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