研究課題/領域番号 |
17K16428
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
前田 恵理子 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (00401084)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 超低線量小児心臓CT / 面検出機 / CT-FFR |
研究実績の概要 |
本研究の基盤となる技術として、3歳未満児において収縮期・拡張期の両方を含む心臓CTを、320列CTと模擬心電図を用いて任意のタイミングの最小曝射幅心臓CTで撮像できることをPediatric Radiology誌に投稿している。 本研究の第一段階は、冠動脈と小児肺動脈の形態的類似性を応用して、最小曝射幅の小児心臓 CTから、成人冠動脈 CT の領域で用いられる機能的血流予備比(CT-FFR)を算出する手法に当てはめて肺動脈のCT-FFRを算出することである。当院CTより、肺動脈狭窄を伴う児で収縮末期と拡張末期が含まれる症例を抽出し、心位相ごとに再構成を行うことで連続画像のセットを作成した。 そのうちの数症例に対し、CT-FFR算出アプリケーションを用いて肺動脈のFFRの算出を行ったが、去年に引き続き同程度の狭窄であっても得られる値にばらつきが大きく、また計算できずにエラーとなることもあるため、新たな解析方法として、CTで得られた形状を通常の数値流体解析ソフトウェアにて解析し、左右の肺動脈それぞれにおける血流比率を算出した。これは機能血流予備比とはやや異なる概念であるが、先天性心疾患に伴う肺動脈狭窄では片方の肺動脈起始部に狭窄があることが多いため、片方が正常径であれば、相対的な血流の低下率を調べることができる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
平成29年7月末以降研究者の病気に伴い、研究のペースが落ちているが、研究自体は再開しており、当初の予定より遅れながらも研究計画を遂行している。
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今後の研究の推進方策 |
通常の数値流体解析ソフトウェアを用いて研究を進める一方、冠動脈CT-FFRを小児肺動脈CT-FFRに適応して適切な計算を行うために何が必要であるか、引き続き検討を続ける。 代表的な肺動脈狭窄の形態に対して解析ができた場合、またCT-FFRを肺動脈に対して用いるための調整に成功した場合は、結果は学会報告、論文で報告する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究者自身の病気により研究計画が遅れているため。今年度は国内外の学会・論文発表で使用額が増える見込みである。
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