研究課題
若手研究(B)
WHOグレードIIおよびIIIの神経膠腫について、単施設のデータベースを構築した。初回治療症例で、かつIDH変異や1p/19共欠失の有無が特定されていた症例を対象とした。術前MRIのT2強調画像から複数の画像特徴量を抽出し、L1ノルムロジスティック回帰分析を用いて遺伝子変異を特定するモデルを作成した。Leave-one-out cross validation法を用いて予測モデルを評価した。AUC値は0.736であり、本研究で得られた非侵襲1p/19q共欠失予測モデルの精度が保証された。
放射線治療
本研究で基盤が確立されたラディオミクスによる遺伝子変異同定モデルを礎に、追加の侵襲なしに多様な予後予測因子を同定するシステムが将来構築されることが期待できる。これによって個々の症例の予後や治療反応性が把握しやすくなるため、治療成績の向上につながる。また、治療非奏功群への不必要な治療介入を回避できるため、副作用の低減および医療費の削減が可能となる。このことはがん治療全体の発展に寄与すると考えられ、本研究の役割は大きい。