本研究は、カテーテル治療のための内臓動脈瘤の血管モデルを3Dプリンタで作製し、手術前のシミュレーションや学生や若手医師への教育、患者さんへの説明への利用を目的としている。 前年度までで、CTやMRIなどの臨床画像のDICOMデータから血管データだけを抽出し、STLデータに変換して、3Dプリンタで出力することで、血管形状を再現したモデルや、カテーテルが挿入できる中空構造の血管モデルが作製できることを確認した。特に共同研究を行っている株式会社RICOHのhome-madeのハイドロゲルを用いた3Dプリンタでは、径1㎜の細い血管や高度の屈脚や蛇行した血管を再現した中空構造の血管モデルが作製できることを確認した。 施設内に導入された3Dプリンタの汎用機(Form 3)を使うことで、モデル作製までの時間がほぼ半日と短縮され、臨床への活用を行うのが容易となった。具体的には、カテーテル治療が難しいと思われる症例に対して、治療前に撮影されたCT画像のDICOMデータより、MaterialiseのMimics Innovative Suite for Researchを用いて、臓器の抽出と3Dデータの処理を行い、STLデータを作製する。その作製されたSTLデータより、Form 3で血管モデルを作製し、治療前や治療中にその血管モデルを参照し、ワイヤー形成やカテーテルの蒸気形成を行い、治療が完遂できた症例があった。 これらの成果を症例報告として、Nagoya Journal of Medical Scienceに投稿し、acceptされた。
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