N1S1ラット肝癌モデルを用いて肝動脈塞栓術を施行した。塞栓48時間後に屠殺し、病変検体を摘出した。組織の免疫染色では局所のTGF-β1発現の増加が見られたが、末梢血中のTGF-β1では上昇はなかった。 肝動脈塞栓後のTGF-β1産生のメカニズムを解明するため、細胞実験を行った。同肝癌細胞を48時間低酸素培養した結果、培養液中のTGF-β1の上昇が見られた。また、低酸素培養下でのHIF-1a発現を抑えると、TGF-β1の発現が有意に抑制された。 以上より、TGF-β1および HIF-1αの発現は低酸素によるものと思われるが、それぞれが共依存性に作用し合っている可能性が推察された。
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