研究課題/領域番号 |
17K16442
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
原田 文 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (50610284)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | メタルナノ粒子 / 放射線増感 / 幹細胞 |
研究実績の概要 |
メタルナノ粒子は放射線増感剤として以前より注目され、当教室でも新たなメタルナノ粒子を開発し、特許を取得している(特許2010-032055、PTC/JP2011/53348)。本研究ではメタルナノ粒子の臨床応用への大きな課題であるドラッグデリバリーの問題の画期的な解決策として、メタルナノ粒子を導入した幹細胞による新たな放射線増感療法を提案し、臨床応用に向けた基礎研究を行う。難治癌に対してもメタルナノ粒子が到達すれば強力な放射線増感作用を発揮するが、現実には癌細胞の周囲には豊富な癌間質が存在し、薬剤の到達が困難であり、臨床応用がなされていない。強力な放射線増感効果を持つメタルナノ粒子として、医工連携共同研究により、二酸化チタンを原料として合成した過酸化チタンナノ粒子がX 線照射によりヒドロキシルラジカルを始めとする大量のROS を発生させること確認でき、さらに担癌モデルマウスでの癌への直接注入モデルにおいて、過酸化チタンナノ粒子併用のX 線照射が非併用の照射と比べて優位に腫瘍を縮小されることを報告している。過酸化チタンナノ粒子は持続的に過酸化水素を発生する事が実験的に証明できた。メタルナノ粒子を導入した幹細胞の作成に従事しているが、購買できる細胞の供給停止があり、保有する細胞で実験を実施できたが、詳細な検討は得られていない。今後は細胞の供給再開が得られる見込みなので、メタルナノ粒子の取り込みと、in vivoの実験系を用いての放射線増感効果が得られるかいないかの実証実験を実施する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
購買できる細胞の供給停止があり、保有する僅かな細胞のみでの実験となったため、実験計画に一部実施できない項目があった。
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今後の研究の推進方策 |
細胞が購入でき次第,in vitro, in vivoの実験計画していく予定である。
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