前年度までに登録した11症例(舌癌5例、下咽頭癌2 例、歯肉癌1例、顎下腺癌1例、中咽頭癌1例、腺様嚢胞癌1例)について、PET/CTで撮像した各画像データからAW serverを用いて頭頚部癌原発巣のFDG及びMETの集積の評価を行った。11症例の原発巣はすべてFDG及びMETともに視覚的に集積陽性を示した。各トレーサーの集積を半定量的に計測した。評価指標としてはmaximum standardized uptake value (SUVmax)、metabolic tumor volume (MTV)の他、FDG PET/CTではtotal total lesion glycolysis (TLG)、MET PET/CTではtotal lesion methionine uptake (TLMU)を用いた。METのSUVmax、MTV、およびTLMUの値は、12.2±5.8、7.2±8.5、69±113.1であり、FDGのSUVmax、MTV、TLGの値は12.6±9.1、5.9±7.3、73.2±127.3であった。METとFDGの集積の各評価指標についてSPSSを用いて統計学的に解析した。その結果、いずれの評価指標にも有意差は認められなかった。また、METのSUVmax、MTV、およびTLMUは、それぞれFDG のSUVmax、MTV、およびTLGと有意に正の強い相関を示した{r = 0.725(p = 0.012)、r = 0.881(p <0.001)、r = 0.955(p <0.001 )}。MET PET/CTは、FDG PET/CTと同等の原発性頭頸部癌の描出能を有する可能性が示唆された。
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