小径腎癌に対する経皮的凍結療法は比較的安全で有効な治療法であるが、重篤な合併症の一つに腫瘍に近接する腎外臓器の損傷がある。十分な腫瘍壊死を得るためにはアイスボールのマージンが5mm以上必要であるとされており、凍結範囲が腫瘍近傍の他臓器に及ぶことがある。これを回避する方法として、腫瘍と他臓器の間に液体を注入するhydrodissection、気体を注入するpneumodissection、バルーンを挿入するballoon dissectionなどがあるが、どの方法にも問題点がある。また、hydrodissectionにおいては熱伝導率の異なる液体で効果に違いが生じる可能性がある。本研究では種々の液体や気体、バルーンを用いたdissection法を比較し、より安全で効果的な方法を模索する。
現在、上記dissection法の基礎実験の具体的手順方法を九州大学工学部の協力を得て検討中である。
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