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2018 年度 実績報告書

癌幹細胞選択的阻害剤とのシナジー効果による食道癌の新規放射線治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 17K16454
研究機関九州大学

研究代表者

脇山 浩明  九州大学, 大学病院, 助教 (70758375)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2019-03-31
キーワード癌幹細胞 / CD44v / 放射線増感剤 / 放射線治療 / 食道扁平上皮癌
研究実績の概要

食道扁平上皮癌に対する放射線治療の新規増感剤とその使用基準の決定は喫緊の課題である。CD44vは種々の癌の癌幹細胞マーカーとして知られている。本研究ではCD44vによって安定化するxCTトランスポーターを阻害するスルファサラジンが、新規の放射線増感剤となりうるかを確認することを目的としている。
H29年度は複数の食道癌細胞株を用いて、CD44vの発現量の評価や、放射線感受性の検討を行った。また、スルファサラジン投与での抗腫瘍効果や、放射線併用時の相乗効果などの検討を進めた。In vitroではスルファサラジン併用による放射線治療効果の上昇を認めた。厳密なCD44vの発現と放射線感受性やスルファサラジン併用の効果を確認するために、CD44vKO株作成も行なった。平成30年度は作成したCD44vKO株を用いて、放射線感受性の変化を評価した。結果、CD44vKO株では放射線感受性の上昇を認め、CD44vの発現が放射線抵抗性に関与していることを明らかにした。また、グルタチオンアッセイではCD44vKOでグルタチオンの低下を認めた。食道扁平上皮癌化学放射線療法前後の検体を用いたRNAシークエンスデータから、CD44vの発現量と治療効果への影響を評価した。結果、CD44vの高発現群で化学放射線療法後の再発率が有意に高かった。
以上より、スルファサラジンは食道扁平上皮癌に対する新規放射線増感剤となりうる薬剤であり、CD44v高発現が食道扁平上皮癌の放射線抵抗性のマーカーと考えられた。今後は、スルファサラジンと同等以上の新規放射線増感剤を探索していく予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Cytolytic activity (CYT) Score is a Prognostic Biomarker Reflecting Host Immune Status in Hepatocellular Carcinoma (HCC)2018

    • 著者名/発表者名
      Wakiyama H, Masuda T, Motomura Y, Hu Q, Tobo T, Eguchi H, Sakamoto K, Hirakawa M, Honda H, Mimori K
    • 雑誌名

      Anticancer Research

      巻: 38(12) ページ: 6631-6638

    • DOI

      10.21873/anticanres.13030

    • 査読あり
  • [学会発表] Cytolytic act ivity (CYT) is a prognostic biomarker reflecting host immune status of hepatocellular carcinoma (HCC)2018

    • 著者名/発表者名
      Wakiyama H, Masuda T, Kouyama Y, Yoshikawa Y, Sato K, Tsuruda Y, Otsu H, Kuroda Y, Eguchi H, Mimori K
    • 学会等名
      第77回日本癌学会学術総会
  • [学会発表] 胃癌及び 肝細胞癌におけるCytolytic activity (CYT)の臨床的意義2018

    • 著者名/発表者名
      脇山 浩明、増田 隆明、胡 慶江、鶴田 祐介、黒田 陽介、伊藤 修平、江口 英利、平川 雅和、松本 圭司、坂本 勝美、本田 浩、三森 功士
    • 学会等名
      第39回癌免疫外科研究会

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公開日: 2019-12-27  

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