研究課題/領域番号 |
17K16459
|
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
下東 吉信 熊本大学, 医学部附属病院, 診療放射線技師 (60771110)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | 4D-CBCT / 定位放射線治療 / 画像再構成 |
研究実績の概要 |
本研究は,高精度な腫瘍位置照合の実現を目的に,4次元コーンビームCTの画質改善と最適化を図り,短時間撮像を可能にすることである. 本年度の研究実績は,前年度に最適化を図った4次元コーンビームCT画像の画質と位置精度を,現段階において呼吸性移動を伴う定位放射線治療計画で使用されている4次元CT画像と比較を行い,4次元コーンビームCTの治療計画導入への可能性について評価した.方法として,動体ファントムを1次元および3次元,移動量(振幅 5mmと10 mm)を変化させて駆動し,そのときの腫瘍体積と位置精度について比較を行った.それそれで得られた腫瘍体積は,既知値および理論値と比較してその精度を検証した.また,位置精度は動体ファントムの移動位置と比較を行い,検証した.結果は,ほとんどの呼吸パターンにおいて4次元CTと4次元コーンビームCTの移動体積に大きな差はなく,位置精度もRMSE(Root Mean Square error)で2.5 mm以内であった.結論として,最適化を図った4次元コーンビームCT画像は,4次元CT画像と同等な精度を有することから治療計画導入への可能性が示された.これらの結果は,国際雑誌に論文として発表することができた. また,近年の技術進歩により,4次元コーンビームCT画像を定位放射線治療中に撮像できる技術が追加され,利用されてる.治療中に4次元コーンビームCT撮像を行うことで,治療中の腫瘍動態を確認できるため,安全かつ確実な定位放射線治療と位置照合が行われたかを検証することができる.しかし,この技術について画質および精度評価を行った研究は少ないため,前年度行った画質評価を本技術に適応し,評価を行った.これらの結果は,国内の研究会で発表し,また来年度4月に開催される国際学会で発表を行う.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は,逐次近似法による画像再構成を適応する予定であったが,生データの抽出と再構成プログラムの作成に時間を要した.また,新技術の導入(治療中の4次元コーンビーム画像)により,その画像評価に重点をおいた.
|
今後の研究の推進方策 |
今後の研究は,研究実施計画に沿って,逐次近似法による画像再構成を適応し,画像評価を行う.また,新技術の導入(治療中の4次元コーンビーム画像)に伴う画質と位置精度の最適化についても平行して研究を行っていく.
|
次年度使用額が生じた理由 |
本年度は,旅費に残額が生じ,575,102円が生じた.これは,来年度4月に発表が確定している国際学会の旅費に使用する.
|