研究課題
本研究は、高精度な腫瘍位置照合の実現を目的に、4次元コーンビームCTの画質改善と最適化を図ることである。また、近年の技術進歩により、4次元コーンビームCTを肺や肝臓の体幹部定位放射線治療中に撮像できる技術が導入され、その位置精度と画質評価を行う。本年度は、これまでに明らかにした4次元コーンビームCTの最適な撮像条件をもとに、胃MALT(mucosa-asscociated lymphoid tissue)リンパ腫の治療に応用し、4次元コーンビームCTの有用性およびPTVマージンの評価を行なった。方法として対象は,30Gy/15回の治療を行った胃MALTリンパ腫の患者8名とした.治療計画は4次元CTを撮像し,吸気と呼気相からターゲット(ITV)を設定し,それに5-30 mm(5 mmステップ)のマージンを付加したPTVを定義した.治療は,4次元コーンビームCTによる臓器照合を行った.解析は,位置照合時の4次元コーンビームCT画像から,皮膚,骨照合,臓器照合に必要なそれぞれのPTVマージンを95%以上の標的カバー率から求め,比較した.結果として、全症例における95%以上の標的カバー率に必要なPTVマージンは,皮膚で20 mm,骨照合で25 mm,臓器照合で15 mmであり,臓器照合で最小となった.結論として、胃MALTリンパ腫に対する4次元コーンビームCTを用いた臓器照合は,日々の胃の大きさや動きの把握に有用であり,一般的な位置照合法より小さいPTVマージンで治療を行うことが可能である。これらの結果は、国際学会と国際雑誌に論文として発表することができた。
すべて 2021 2020
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件)
Radiation Oncology
巻: 16 ページ: 14
10.1186/s13014-020-01734-w