研究課題/領域番号 |
17K16462
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
中條 正典 鹿児島大学, 附属病院, 医員 (60727171)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 軟骨形成腫瘍 / グルコサミノグリカン / GagCEST |
研究実績の概要 |
MRIは軟骨形成性腫瘍の良悪性診断に有用であるが、従来の診断法では診断が困難なことは少なくない。軟骨基質に特異的な物質であるグルコサミノグリカン(GAG)は軟骨形成腫瘍の良悪性鑑別のマーカーになり得るが、GAGの画像化に基づく良悪性鑑別の画像法は報告されていない。近年、chemical exchange saturation transfer(CEST)imagingの1つであるgagGESTによりGAGを画像化できることが報告されている。本研究の目的は、軟骨形成性腫瘍におけるgagCEST imagingの最適な撮像法・評価法を開発し、gagCEST imagingによる軟骨形成性腫瘍の悪性度診断法を確立することである。本年度は、1)GagCEST imagingのパルスシーケンスの開発・最適化、2)GagCEST imagingの解析法の開発、3)軟骨形成性腫瘍患者のデータ収集を行った。1)に関して、GagCEST imagingはヒドロキシ基(1ppm)の間接的なバルク水の信号変化を観察する。ヒドロキシ基の共振周波数は1ppmとバルク水の共振周波数と近く、バルス水の直接的な信号抑制の影響を受けやすく、飽和パルスや静磁場(B0)補正法の開発・最適化が必要であるため、ファントムによるデータ収集を行い、飽和パルス・静磁場(B0)補正法の開発・最適化を昨年と同様を検討中であるが、現時点ではよいデータはでていない。2)に関して、GagCSETimagingのCEST効果の評価にはヒドロキシ基とバルク水の周波数の2峰性の信号抑制曲線であるZ-スペクトルと1.0ppmにおける信号強度の非対称性により評価する。GAGのCEST効果は1.0ppmと-1.0ppmの信号強度の差(MTRasym)として定量化しているが、信号強度の差を変化させる(ppmを変える)ことで、最適な定量値を昨年と同様、検討中である。3)に関しては、対象症例とその他の疾患の症例を集めているが、病理結果まででている症例はさほど多くなく、ひきつづき収集する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年と同様、下記のため、やや遅れている 1.ファントムデータの収集、画像の最適化が難しく、GAGのCEST効果の定量化がやや困難なため 2.対象症例の収集が難航しているため
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今後の研究の推進方策 |
昨年と同様、さらなるファントムデータの収集、画像の最適化を行っていき、症例をさらに収集し、検討を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
理由:症例の収集に難航し、データ収集・画像の最適化に遅れが生じたため 計画:データ収集・画像の最適化にかかわる物品費、評価法に関して研究会で意見交換を行う謝金等に用いる。
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