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2017 年度 実施状況報告書

DNA修復蛋白の発現を利用した放射線治療効果の予測

研究課題

研究課題/領域番号 17K16466
研究機関札幌医科大学

研究代表者

長谷川 智一  札幌医科大学, 医学部, 助教 (80631168)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2019-03-31
キーワード放射線治療 / 前立腺癌 / 人工ニューラルネットワーク
研究実績の概要

Ku70発現による放射線治療結果の予測と人工ニューラルネットワークの応用
背景:放射線治療の結果の正確な予測は、がんの治療法の個別化された選択にとって不可欠である。入力因子としてKu70の免疫組織化学染色と臨床因子を用いて、放射線治療の結果を予測するための人工ニューラルネットワーク(ANN)モデルの適用を検討した。
方法:前立腺癌では、2007年8月~2010年10月の間に強度変調放射線治療(IMRT)を受けた58人と、2001年8月~2007年5月までの間に3次元コンフォーマル放射線療法(3D-CRT)を受けた21名を分析した。下咽頭癌では、2002年3月から2009年12月の間に放射線治療を受けた扁平上皮癌患者46例を分析した。標準フィードフォワード、バックプロパゲーションニューラルネットワークにより訓練されたANN解析を使用して、放射線療法の治療結果を予測した。
結果:Area under the curve(AUC)は、IMRT + ホルモン療法(ADT)で治療した患者で0.939、IMRT単独で0.803、3D-CRT単独で0.960であった。感度と特異度は、IMRT + ADTでは85.7%と90.4%、IMRT単独では75.0%と88.5%、3D-CRT単独では92.3%と100%であった。 AUCは下咽頭癌で0.901、感度と特異度はそれぞれ66.7%と88.2%であった。
考察: Ku70発現および臨床因子をインプットとして使用して、前立腺癌および下咽頭癌におけるANNによる放射線療法の治療結果を予測できる可能性がある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究目的の一つとして、生検標本を使用した免疫組織染色による放射線治療効果予測法の確立を目指すことがあるが、その解析法で、有望な結果が得られた。

今後の研究の推進方策

生検標本を使用した免疫組織染色による放射線治療効果予測法の確立ための研究をさらに進める。また、解析法の更なる改善を行う。

次年度使用額が生じた理由

(理由)すでに研究室にあった消耗品を使用して研究を行ったため、残額が生じた。
(使用計画)平成29年度の残額と平成30年度の直接経費を使用して、免疫組織染色やその解析法の研究を行う。これらの研究における消耗品、学会参加のための費用などに使用する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Local tumor control and DNA-PK activity of peripheral blood lymphocytes in prostate cancer patients receiving radiotherapy.2017

    • 著者名/発表者名
      Someya M, Hasegawa T, Hori M, Matsumoto Y, Nakata K, Masumori N and Sakata KI.
    • 雑誌名

      J Radiat Res

      巻: 58(2) ページ: 225-231

    • DOI

      10.1093/jrr/rrw099

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Ku70発現と人工ニューラルネットワークによる放射線治療結果の予測2017

    • 著者名/発表者名
      長谷川智一,染谷正則,馬込大貴,後町俊夫,福島悠希,土屋高旭,北川未央,堀正和,中田健生,坂田耕一
    • 学会等名
      日本放射線腫瘍学会第30回学術大会

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公開日: 2018-12-17  

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