研究課題/領域番号 |
17K16467
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
益田 淳朗 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (50769594)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 心筋血流量 / アンモニア / PET / MRI / 低酸素 |
研究実績の概要 |
平成29年度は、まずPET/MRIを用いてN-13 ammonia PETの最適な撮像法を検討した。通常の心臓MRIでは呼吸停止下で撮像を行い、N-13 ammonia PETでは自由呼吸下で撮像を行うため、N-13 ammonia PET/MRIでは相互に画質に影響を与えることが予想された。したがってPET/MRIの最適な撮像法の検討が必要であった。そのために、自由呼吸下でのアンモニアPETの撮像と並行して、MRIでは自由呼吸下での最適な吸収補正法およびシネMRIのためのシークエンスを検討した。心臓MRIによる吸収補正において、呼吸同期を用いたシークエンスを用いることで、最適な吸収補正を行うことが可能となった。心機能評価においても自由呼吸下での撮像法を最適化することができた。また、その状態で撮像したN-13 ammonia PETの画像に問題がないことを確認し、安定した結果を得ることが可能となった。 撮像シークエンスの決定後に、実際にN-13 ammonia PETが適応となる虚血性心疾患患者に対してN-13 ammonia PET/MRIの撮像を行った。N-13 ammonia PET/MRIではアデノシン三リン酸を用いた薬物負荷、および安静時の画像を取得した。得られたammonia PETの結果を用い、専用の解析ソフトウェアを用いて左室心筋の全体および局所の心筋血流量を算出した。また、患者の他の臨床情報である冠動脈造影などと相互に比較を行い、冠動脈狭窄と心筋血流量の関連の検討を開始することが可能となった。さらに、薬剤負荷中および安静時のN-13 ammonia PET撮像により得られた心臓MRI、および心電図同期PETから左室容量、左室駆出率を評価し、それらの関連を相互に比較し、虚血性心疾患におけるN-13 ammonia PETでの心筋血流量と、負荷中の左心機能の関連についてその相違を明らかにすることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
N-13 ammonia PETを用いたPET/MRIでの最適な撮像法を検討し、さらに患者の組入れを開始することができた。しかし、F-18 FMISOの合成の体制を整備し、実際に合成・患者への応用を開始することが困難であった。
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今後の研究の推進方策 |
虚血性心疾患患者に対してN-13 ammonia PET/MRIを行うことで、心筋血流量と左心機能、虚血性心疾患の関連の検討について継続する。今年度合成が難しかったF-18 FMISOの合成に関し、平成30年度もその体制の見直し、合成に向けて研究計画の調整を行い、心筋低酸素の評価が可能となるように調整を進める方針である。また、並行してN-13 ammonia PETと同時に評価した安静・負荷での心機能の変化を解析し、公表する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
物品費およびその他 (主にPET機器使用料、PET薬剤合成費用)への支出が当初の予想より少なかったため次年度使用額が生じた。当研究の継続において、次年度もPET機器使用料、PET薬剤合成費用への支出が多くなることが見込まれるため、それらに充当する予定である。
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