研究課題/領域番号 |
17K16470
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
菊池 祥平 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (90771709)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 心臓交感神経機能の低下 / 左室駆出率の保たれた心不全 / 心房細動 / β遮断薬 |
研究実績の概要 |
本研究では左室駆出率の保たれた心不全(HFpEF) における心臓交感神経活性をPositron emission tomography(PET)で定量的に画像評価し、心臓交感神経活性と心機能・心不全の病態との関連性を検証した。研究計画で予定した20症例のPET検査をすでに完了した。 HFpEFでは対照群である心血管疾患の合併のない健常者や高血圧患者と比較して、心臓交感神経機能の低下を認めた。これは左室駆出率の低下した心不全と、同様の結果であった。 またHFpEFでは心臓交感神経機能障害の分布域が幅広く、機能障害と関係する因子を検討した。 心房細動を有するHFpEFにおいて、β遮断薬の内服がある群ではβ遮断薬の内服がない群と比較して、心臓交感神経機能が有意に高値であった。ただし洞調律のHFpEFにおいては、ほぼすべての症例でβ遮断薬を内服していたたため、β遮断薬内服の有無による比較はできなかった。 以上より、心房細動を有するHFpEFではβ遮断薬の内服により心臓交感神経機能が保たれる可能性が示唆され、本結果は第85回日本循環器学会学術集会で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
データの解析はほぼ終了したが、臨床業務が多忙にて論文化に時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
今年度中に論文を完成させる。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度に論文化する予定であったが完成せず、論文化に費やす予算を使用しなかった。 今年度に論文化し、その費用とする。
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