研究課題
1.新たな診断機器である立位(座位)胸部CTが、日常臨床においてルーチンに施行可能であることを確認した。2.同一被験者に対し、通常の臥位CT(手さげ)と立位CTの両方を撮影した。臥位と比較して立位で、両側肺体積・両側上葉体積・両側下葉体積は有意に大きく、さらに下葉において、その違いが大きいことが明らかとなった。一方で右肺中葉は、臥位と立位で体積が変わらないことが分かった。また、立位での全肺体積は、呼吸機能検査での全肺気量の値により近いことが明らかとなった。本結果を第77回日本医学放射線学会総会で発表したが、さらに同内容の英語論文が「Respiration」誌に受理された(Respiration, 2020 in press, DOI: 10.1159/000507265)。3.同一被験者内の、臥位(手上げ)・立位・座位の吸気・呼気CTを撮影した。上記の結果に加えて、呼気CTでは、右肺中葉の体積は、立位・座位の方が臥位よりも小さいことが明らかになった。この結果を第79回日本医学放射線学会(延期され2020年5月15日~6月5日)で発表する。また英語論文を投稿中である。4.同一被験者内の臥位CT画像と立位CT画像の比較により、上大静脈は臥位より立位で細くなり、横隔膜レベルの下大静脈は臥位と立位で断面積はほぼ変わらず、腹部の下大静脈は臥位より立位で太くなるということが明らかとなった。この結果を第78回日本医学放射線学会(2019年4月11日~14日)で発表した。また、同内容の英語論文が「Investigative Radiology」誌に受理された(Invest Radiol. 2020;55(2):73-83)。5.慢性閉塞性肺疾患(COPD)を対象とし、通常の臥位CTと立位CTを撮影した。上葉・下葉については立位の方が体積が大きい一方、中葉については立位で体積が小さいことが明らかとなった。本結果を学会発表・論文発表する予定である。
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Investigative Radiology
巻: 55 ページ: 73-83
DOI: 10.1097/RLI.0000000000000603
Respiration
巻: - ページ: -
DOI: 10.1159/000507265
https://researchmap.jp/yoshitake_yamada
https://k-ris.keio.ac.jp/html/100006617_ja.html
https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=200901070877263084