本研究では、根治治療困難な肝細胞癌に対する主軸治療である肝動脈化学塞栓術における新たな塞栓物質の開発を主題とした。多孔性ガラス膜 (SPG膜)を用い、界面活性剤としてポリエチレン硬化ヒマシ油60を添加して直接膜乳化を行うことで、均一な粒子径を有するミリプラチン とリピオドールの単分散系s/o/w emulsionを得ることに成功した。また動物実験では、この新たなs/o/w emulsionが従来のsuspensionと比較して、腫瘍内により良好に集積し、停滞する可能性が示された。また安全性についても、従来のものと同等ないし優れていることが示唆された。
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