• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2017 年度 実施状況報告書

放射線治療後再発に対する再照射実験モデルの確立-放射線感受性と生体応答の検証-

研究課題

研究課題/領域番号 17K16493
研究機関近畿大学

研究代表者

土井 啓至  近畿大学, 医学部, 講師 (50529047)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード再照射
研究実績の概要

マウスを使用した動物実験を行なった。動物実験用放射線照射装置で0~20Gyの全身照射を行なった。0~4日間の経過観察の後、安楽死させ、腸管と肺を摘出した。標本はヘマトキシリン・エオジン染色とTUNEL染色を行なった。放射線照射後の平均腸管幹細胞生存数は0Gyで129.4個、15Gyで98.3個、20Gyで8.8個であった。15Gy照射後の腸管で細胞死を経時的に確認できた。したがって、消化管障害は十分に評価可能な実験系であることを確認できた。ただし、過去の報告との相違が見られたため、照射線量の補正を要すると考えられた。肺については変化を観察した十分なデータが得られなかった。このため、照射線量や経過観察期間、標本処理方法の見直しを行っている。また、放射線照射装置の照射線量の検証と補正を要すると考えられため、線量計を用いた実測と補正のための検証実験を行った。これらの基礎データを基に、個体数を増やして本試験を行う。関連する臨床研究として、放射線治療歴をもつ頭頸部希少癌の局所再発例に対する再照射を施行した症例を遡及的に解析し、報告した。本研究成果は 第31回高精度放射線外部照射部会学術大会、第77回日本医学放射線学会総会で発表を行い、Acta Oto-Laryngologica誌に掲載された(doi: 10.1080/00016489.2018.1438662)。研究テーマと関連した放射線防護剤に関する総説がFuture Oncology誌に受理済みである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

マウスを使用した動物実験を行なった結果、消化管障害は十分に評価可能な実験系であることを確認できたものの、照射線量の補正を要すると考えられた。肺については予定されたデータが得られなかった。

今後の研究の推進方策

マウスの肺臓炎モデルを確立すべく、照射線量や経過観察期間、標本処理方法の見直しを行っている。また、放射線照射装置の照射線量の検証と補正を目的として、線量計を用いた実測と補正のための検証実験を行い、次回以降の実験の際に補正を加えることで正確な線量の照射を行う。

次年度使用額が生じた理由

今年度は予備実験の見直しが必要になったことにより実験動物の数を増やした本試験が十分に行えなかったため、動物実験の諸経費が使用できなかった。また国際学会発表までの十分なデータ収集ができなかったため、出張費が少なくなった。研究は継続中のため、次年度でこれらの諸経費を使用して研究を継続予定である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Definitive re-irradiation using intensity modulated radiation therapy in cancers of the head and neck, focusing on rare tumors.2018

    • 著者名/発表者名
      Doi H, Uemoto K, Masai N, Tatsumi D, Shiomi H, Oh RJ.
    • 雑誌名

      Acta Oto-Laryngologica.

      巻: - ページ: -

    • DOI

      doi: 10.1080/00016489.2018.1438662

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Utility of polaprezinc in reducing toxicities during radiotherapy: A literature review.2018

    • 著者名/発表者名
      Doi H, Kuribayashi K, Kijima T.
    • 雑誌名

      Future Oncology

      巻: - ページ: -

    • 査読あり
  • [学会発表] Comparison between T staging and FDG-PET for predicting outcomes of maxillary sinus carcinoma.2018

    • 著者名/発表者名
      Doi H, Fujiwara M, Kitajima K, Tanooka M, Terada T, Noguchi K, Ishikura R, Kamikonya N, Yamakado K.
    • 学会等名
      European Society for Therapeutic Radiotherapy & Oncology (ESTRO) 37
    • 国際学会
  • [学会発表] Salvage re-irradiation using intensity modulated radiation therapy in head and neck rare tumors.2018

    • 著者名/発表者名
      土井啓至, 上本賢司, 正井範尚, 辰己大作, 塩見浩也, 呉隆進.
    • 学会等名
      第77回日本医学放射線学会総会
  • [学会発表] 上顎洞癌放射線治療後局所再発に対する救済治療として強度変調放射線治療での再照射の検討.2018

    • 著者名/発表者名
      土井啓至, 上本賢司, 正井範尚, 辰己大作, 塩見浩也, 呉隆進.
    • 学会等名
      第31回高精度放射線外部照射部会学術大会
  • [学会発表] 上顎洞扁平上皮癌に対する動注癌化学放射線療法の予後予測因子.2017

    • 著者名/発表者名
      土井啓至, 冨士原将之, 北島一宏, 田ノ岡征雄, 高田康弘, 寺田友紀, 野口一馬,石藏礼一, 上紺屋憲彦, 山門亨一郎.
    • 学会等名
      日本放射線腫瘍学会第30回学術大会
  • [図書] Cirrhosis (Xingshun Qi編)2018

    • 著者名/発表者名
      Doi H, Shiomi H, Oh RJ.
    • 総ページ数
      -
    • 出版者
      InTech (Rijeka, Croatia)
    • ISBN
      978-953-51-6146-2

URL: 

公開日: 2018-12-17  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi