本研究では、独自に発見した肝疾患の新規バイオマーカーであるTranslocator protein(18kDa)(TSPO)を起点とし、ヒト肝臓検体を対象にTSPOプローブである[18F]FEDACを用いて、肝炎から肝硬変までの肝疾患診断におけるTSPO-PETの有用性を検証した。その結果、肝疾患の進行に呼応してTSPOの誘導発現が認められ、[18F]FEDACとTSPOとの結合量が有意に上昇した。TSPOの発現及び[18F]FEDACの結合量は肝障害を示す病理スコアに高い相関を示した。従って、[18F]FEDAC-PETは肝疾患の進行を捉える診断法として有用であることが明らかとなった。
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