研究実績の概要 |
我々は当院で頭頸部癌に対して、放射線治療を行った患者を解析し放射線治療後6ヶ月後のtube依存(feeding tubeや胃瘻依存)患者は5.7%であることを明らかにした。Tube依存はlevel Ibを予防照射野に含んでいたものが有意に多く、Supraglottic Larynx, Contralateral Parotid, Oral Tongueの線量と有意に相関した。これら結果をもとにtube依存の発生を予測するnormal tissue complication probability model (NTCP model)を樹立した。
Groningen大学もTube依存のNTCP modelを発表しており、当院のtube依存率はGroningen NTCP modelで当院の患者群で計算させたもの(12.2%)と比較して有意に低い結果となった。Closed testing procedureを用いて検討した所、Groningen NTCP modelのinterceptの変更が必要という結果となった。すでに報告されたNTCP modelを自施設で用いる場合、外的妥当性を検証する事の重要性が明らかとなった。
上記結果は各種国際学会や英文論文として報告した。今後は重度嚥下障害の指標である誤嚥性肺炎死や軽度嚥下障害の指標である常食摂取困難などのリスク因子の解析およびNTCP modelの樹立に向けて、研究を進めている。
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