【研究目的】移植前Mitomycin-C(MMC)処置による膵島グラフトの長期生着は、免疫抑制剤なしに達成され、ドナー特異的免疫寛容が関与する可能性が示される。本研究では、MMCを用いた移植前処置によるドナー特異的免疫寛容誘導について評価した。【結果】長期間生着したMMC処置膵島グラフトに対する宿主リンパ球は限局性に集簇し、中心にCD3陽性T細胞、辺縁部にCD45R陽性B細胞が極性をもって局在していることが明らかとなった。【結論】MMC処置移植グラフトに対する宿主免疫応答は、拒絶される非処置移植グラフトとは異なり、特徴的な免疫細胞の集簇として観察され、末梢性免 疫寛容に関与すると考えられた。
|