ヒト大腸癌由来固形腫瘍のxenograftモデルを用いて抗がん剤5-FU耐性群および感受性群の脂質変化を解析した結果、5-FU耐性群において飽和脂肪酸の含有量が高く、逆に脂肪酸鎖内に1個の二重結合を有する一価不飽和脂肪酸の含有量が低下していることを確認。大腸がんの細胞株を使用し、飽和脂肪酸に一価不飽和結合を入れ込む酵素Stearoyl-CoA desaturase-1 (SCD-1)を阻害することや外から飽和脂肪酸を添加し、細胞内の脂肪酸を変化させる事で抗がん剤耐性を示す事を確認。細胞膜内の飽和脂肪酸含有量が増える事で膜の流動性が低下し、5-FUへの薬剤耐性をもたらす事を明らかにした。
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