胃癌は未だ予後不良な疾患の一つで、とりわけ肝転移を伴うものは治療法の開発が進んでいない。当研究室ではこの胃癌肝転移に着目し、これに特化した診断治療法を開発した。肝転移を伴う胃癌患者の組織を採取し解析したところ、肝転移患者に特異的に発現する(はたらく)遺伝子としてGNG4とASGR2遺伝子を発見した。これらが高発現する胃癌患者の予後は不良であった。この発現を抑えた(ノックアウト/ノックダウン,以後KO/KD)細胞は増殖力が減少した。マウスに肝転移として生着する能力はKO/KD細胞で減少した。ASGR2とGNG4の発見は胃癌肝転移に特化した診断薬・治療薬の開発につながる可能性があると考えられた。
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