研究課題/領域番号 |
17K16540
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
稲本 将 京都大学, 医学研究科, 特定病院助教 (60794683)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 大腸癌 / ケモカイン / バイオマーカー |
研究実績の概要 |
ケモカインCXCL1、CXCL8の発現上昇が見られるSMAD4ノックダウン大腸癌細胞株のSW837をヌードマウスに接種して、マウスモデルを作成。まずは皮下モデルにて生着を確認した。 これを足がかりに、原発巣モデル、転移モデルで野生株群と比較して腫瘍増大能や転移能が促進されるかどうか検討する。また腫瘍組織におけるCXCL1、CXCL8の発現及びこれらに固有のケモカイン受容体CXCR2陽性骨髄球の腫瘍周囲集積程度を免疫組織染色にて検討し、コントロール群との間に差異があるかを検証する。 また、ヒト原発大腸癌切除標本を用いてCXCL1およびCXCL8の腫瘍における発現を免疫組織染色にて検討を開始している。至適な染色の条件設定に時間を要しており、現在数例について検討している。また、CXCR2に関しては蛍光組織にて約8例で腫瘍浸潤先端に集積があることを確認している。 CXCL1とCXCL8に関しては当研究室大学院生により免疫組織染色のみならず患者血液サンプルを用いたELISA法にて検出を試みている。これらケモカインのデータをまとめ、論文を作成する準備を進めている。 また、ケモカインCCL15の大腸癌患者における術前・術後での検討に関しては、患者からの血液データ採取を継続中である。これらの結果と臨床病理学的因子との関係をみて、治療前後でのCCL15の変動と再発や進行度などとの関係を検討し、新たなバイオマーカーとしての有用性について検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
SMAD4ノックダウン大腸癌細胞株のSW837をヌードマウスに接種して、マウスモデルを作成。まずは皮下モデルにて生着を確認した。 CXCL1とCXCL8の免疫組織染色に関しては条件検討中である。代わりに、血液サンプルを用いたELISA法により上昇の有無を検討中である。CXCR2に関しても、組織サンプルを用いて免疫組織染色を継続し、判定を行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
SMAD4ノックダウン大腸癌細胞株のSW837をヌードマウスに接種して、マウスモデルを作成。まずは皮下モデルにて生着を確認したので、今後原発巣モデル、転移モデルでの実験に向けた準備中である。 今後、CXCL1及びCXCL8の免疫組織染色を進め、さらにCXCR2の集積数も計測し、これらの結果と既報のSMAD4、CCL15、CCR1の発現及び臨床病理学的因子との関係を検討する予定である。 また、ケモカインCCL15の大腸癌患者における術前・術後での検討に関しては、患者からの血液データ採取を継続中である。
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次年度使用額が生じた理由 |
免疫組織染色における条件検討に時間がかかり、他の検討が進まず端数の予算に余剰が出たため、次年度に予算を回して検討を続けていく予定である。
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