研究実績の概要 |
1.クローン病および正常ヒト腸管からのCD14+CD163low細胞の分取蓄積 ① ヒト腸管サンプル回収処理プロトコルの確立:ヒト腸管手術標本の残余部分を用いる研究であり、臨床上必要な病理標本処理を行った上手でできるだけ細胞のviabilityが高い状態で細胞を回収する標本処理プロトコルの確立を目指し、RNAシークエンスに妥当なcDNAが作成可能なクオリティの細胞分画サンプルがとなるまでにシークエンスを行わない先行実験を行った。最終的にヒトゲノム研究の同意書を取得した上でクローン病3症例からクローン病腸管を、大腸癌4症例から非癌部の腸管を採取した。 ② CD14+CD163low細胞のsorting:既にわれわれが確立したヒト腸管からの抗原提示細胞分取方法(T Ogino, et al. Gastroenterology 2013)に準じて腸管粘膜固有層の筋層からの剥離、小片化、酵素処理、密度勾配法による分画を行ったのちフローサイトメトリーでLineage(CD19, CD20, CD56)陰性かつHLA-DR陽性のゲートを選択し、さらにCD14、CD1D11c、CD163で展開し目的の分画をsortingした。細胞のviabilityを保つため、術当日にsortingし、死細胞を除くことでcDNA作成に十分なクオリティの細胞分画を採取した。 2.RNAシークエンスによる網羅的遺伝子発現解析による異常発現遺伝子の同定 ① RNAシークエンス:得られた細胞分画サンプルについて大阪大学免疫フロンティア研究センターにおいてHiSeq2500/4000を用いたRNAシークエンスを行い、網羅的遺伝子発現解析を行った。
|