KPCマウス及び脾注肝転移モデルを用いた研究により、肝転移部の癌細胞周囲に癌関連繊維芽細胞(CAF)が集簇しており、CAFが転移形成促進的な微小環境を形成していることが示唆された。更にCAFに先立って好中球が集簇していることに着目し、好中球のNeutrophil extracellular traps (NETs)と呼ばれる機構が肝転移形成に促進的に働くことを見出した。 また、癌細胞のCD110発現が亢進しているものでは有意に肝転移が増加していた。 これらの結果から、膵癌の微小肝転移形成に促進的に働く因子として、宿主側ではCAFと好中球が、癌側ではCD110の発現が関与していることが示唆された。
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