配偶子形成において、癌/精巣抗原は各ステージにおいて様々な発現パターンが見られることが知られている。一方、癌/精巣抗原は悪性形質獲得時(癌化)にも発現することが知られている。癌/精巣抗原の発現パターンは、生殖細胞成熟過程のみではなく、癌化においても規則性が存在するのではないかと報告者は仮説を立てた。 本研究では、マウスにおける悪性形質の増加による癌/精巣抗原の発現を解析し、仮説の立証を行った。さらに、ヒト胃癌において、癌化初期に発現する癌/精巣抗原として、Kita-kyushu lung cancer antigen-1を同定し、その発現はピロリ菌に関連していることを証明した。
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