今後も増加していくことが予想される胆膵疾患における膵頭十二指腸切除術の重要な合併症である膵液瘻の原因検索,対策を講じることが重要である.手術手技は当然のことながら周術期の管理も重要であり膵液瘻には術後腹水細菌感染が関連しており,術後腹水中の細菌を調べることで周術期に適切な抗生剤を使用することで膵液瘻を減少させる可能性が示唆された. 周術期感染制御による膵液瘻防止策は,これまでにない新たなストラテジーであり,これらの結果は,外科医にとって,今後の膵切除術後合併症対策を行っていく上で,極めて重要なデータになり今後も引き続きデータの集積・解析が必要と考えられる.
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