研究課題
若手研究(B)
本研究では、研究期間に予定心内修復術を施行した先天性心疾患患者のうち、右室心筋を切除した患者を対象とし、右室心筋の病理組織所見から算出したH-SCOREと術後経過や術前後心不全の指標との比較検討を行った。対象は52例で、年齢は多岐に渡り、主疾患の50%がファロー四徴症だった。H-SCOREは164±44で正規分布した。全体の検討では、長期に及ぶ病悩期間とH-SCORE低値との関連が認められた。
先天性心疾患の外科治療
先天性心疾患では、近年の周術期管理および外科治療の進歩により、大多数の疾患で成人に到達するようになり、術後遠隔期の残存病変・続発症や、慢性心不全、再治療介入のタイミングや内容が、新たな重要な分野となっている。本研究成果が、この再治療介入を要する患者における、心機能の維持を念頭においた手術のタイミングを推定する新たな指標の模索につながり、最終的に、これら疾患群の予後改善に寄与することが、本研究の本質的な目的である。