研究課題
これまで当教室で進めてきた先行研究から、高齢者心不全患者に由来する心筋幹細胞においてsFRP1が高発現している可能性が考えられる。本研究では、ヒト心筋幹細胞の細胞老化誘導におけるsFRP1の役割を解明することを研究目的とし、以下の点を明らかにした。①若齢(65歳以下)および高齢(65歳以上)心不全患者由来の心筋幹細胞におけるsFRP1の発現レベルをRT-PCRにより比較したところ、高齢群におけるsFRP1の発現が若齢群に比べて亢進していた。②若齢心不全患者由来の心筋幹細胞を抗癌剤であるエトポシドで処理すると、老化関連beta-ガラクトシダーゼ(SA-b-Gal)陽性細胞が増加し、細胞老化の誘導が認められ、このとき、sFRP1の発現が亢進していた。③組み換え型sFRP1蛋白質を若齢心不全患者由来の心筋幹細胞に添加すると、SA-b-Gal陽性細胞が増加し、細胞老化の誘導が認められた。以上より、心不全患者に由来する心筋幹細胞の細胞老化誘導機序の一端が解明された。
すべて 2017
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)
Biochemical and Biophysical Research Communications
巻: 487 ページ: 653-659
http://dx.doi.org/10.1016/j.bbrc.2017.04.110