研究実績の概要 |
本研究は腹部大動脈瘤形成及び進展と糖尿病との関連を明らかにし、これらの病態に伴うDipeptidyl Peptidase-4(DPP-4)阻害薬の抗炎症作用をターゲットとした腹部大動脈瘤形成抑制に対する新たな治療戦略を提示することにある。具体的には以下の実験を行っていく。 1. マウス腹部大動脈瘤モデルの作成。アンギオテンシンII負荷モデルを用いる。minipumpを埋め込み、AngIIを1000ng/kg/minで皮下投与し、術後4週目に瘤形成の評価を行う。 2. Dipeptidyl Peptidase-4(DPP-4)阻害薬による大動脈瘤形成抑制効果の検討。通常食とDPP-4阻害薬混餌投与で瘤形成率について検討する。 3. 大動脈瘤形成とmatrix metalloproteinase(MMP2,9)、炎症性サイトカイン(JNK, NF-κB、TNF-α、IL-1、IL-6)の関連について検討する。 マウス腹部大動脈瘤モデル(アンギオテンシンII負荷)の作製を行った。麻酔はネンブタールの腹腔内投与にて行った。アンギオテンシンIIのポンプを背部皮下に埋め込み、1000ng/kg/minで投与した。術後4週目に瘤形成効果の検討を行った。大動脈組織をHE、EVG染色で評価した。今後、機序解明として、JNK, NF-κB、TNF-α、IL-1、IL-6などの発現について検討していく予定である。
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