エクソソーム抽出に際して、ヒト血管内皮細胞およびヒト血管平滑筋細胞の培養を確立し、抽出に必要な数を確保し培養を行った。超遠心法、共沈法、免疫法の 各方法によって抽出し、そのクオリティを評価した。エクソソーム抽出についてはその最適な抽出法が未だ議論されているところであるため、本実験に最適な方 法を確立するために必要であった。フローサイトメータおよび動的光散乱装置によって評価したところ、共沈法による抽出が最も量的な抽出量が多いことがわ かった。質的にも均質と考えられたが、散乱光で観察すると微小な粒子が検出され、試薬の影響を考える必要があった。免疫法では量的にも少量であり、質的に も様々な径の粒子が含まれていた。免疫学的な検出では、エクソソーム以外の微小粒子で同じ表面抗原を持つ粒子が検出されていると考えられた。超遠心法では 共沈法に次ぐ量・質的な粒子が検出された。エクソソーム由来の遺伝子発現を検討する上では共沈法で問題ないと考えられたため、遺伝子発現量の検討では同方 法にて検討する方針とした。細胞由来のエクソソームから検出される遺伝子発現を検討した。アンジオテンシン刺激の適量を決定し、採取の時系列を決定した。 また、生体での反応を検討するための動物実験を行うに当たり、マウスの大動脈瘤モデルを作成した。Angiotensin IIをポンプを利用して埋め込み、大動脈瘤が形成されることを確認した。
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